テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書
著者:池田 朋弘
発売日:2020年11月27日
2016年にリモートワークを先んじて全面導入した起業家
著者は、起業家で数度の会社の創業に携わっている。
2013年、UXリサーチ事業を行う会社ポップインサイトを創業し代表取締役に就任。
2016年、同社はリモートワークを全面的に導入。
2018年、総務省のテレワーク先駆者百選に選定される。
現在はDX支援事業を行うメンバーズ執行役員。
リモートワークで、メンバーと離れていても安心して働くには
「メンバーと離れていても安心して働くには」と本の帯にあるように、リモートワークで成果を出せるチーム・会社の構築方法について書かれている。
企業がテレワークに取り組むといかにメリットがあるか。
テレワーク導入にあたってどのようなハードルがあるか。
そして、テレワークでは良いコミュニケーションによる信頼関係を築くのが重要とある。
シンプルテイストなロジカルで構成された内容。
読みやすい文章ながらも納得させられる実践的なテレワーク情報が詰まった内容。
本のタイトルにあるように、リモートワーク時のコミュニケーションに関して体系的に書かれていてまさに教科書。
著者のメッセージとしては、企業・チームでコミュニケーションの課題・解決に役に立ち、各人が生き生きとした仕事ができ、よりよい人生を送ってもらえれば嬉しいと巻末で結ばれている。
Amazonレビューでも多数の高評価がつけられており、この本によってテレワークを上手く軌道に乗せた人は多いかもしれない。
リモートワークでは、ハイコンテクストよりもローコンテクスト
テレワークでのコミュニケーション不足の原因はハイコンテクスト
日本人のハイコンテクスト(察する・空気を読む)の文化が、テレワークではコミュニケーション不足に陥ってしまう原因。
リモートワークではローコンテクスト(発信・反応する)が大事だという。
この本では、ローコンテクストのツールやテクニックが満載されている。
環境を整えよ(チームに合ったWebサービスを上手く使いこなす)
リモートコミュニケーションでは環境を整えるのが大事とあり、Webサービスごとの定番をいくつか紹介してくれている。
ビジネスチャット、Web会議、オンラインストレージ、オンラインドキュメント、画面キャプチャ、オンラインホワイトボードなどが一通り知れる。
Webサービスの紹介だけでなく、Webサービスを使いこなすテクニックも教示してくれる。
ここだけでも本を買う価値はある。
自分自身が役に立った一例をあげると、ビジネスチャットSlackに汎用性のあるカスタム絵文字を導入。
手軽にリアクションできるようにしてレスポンスを向上させた。
カスタム絵文字の導入だけでも結構な違いを感じる。
自分はWebデザインの仕事をしているのでWebサービス名は大体知っていたが、PC・Webにあまり精通していない人には初めて聞くWebサービスが多いと思われる。
ネットリテラシーのある人とない人との差は、どんどん開いている。
聞き慣れない用語が多いからと保守的にならず、新しいことをどんどん吸収しようとする気持ちは大事。
時代に自分を合わせていかないと厳しい世の中だ。
自分のトリセツをチームに向けて作る
自分のトリセツ(取扱説明書)をチーム向けに用意しておくというアイデアは、ベンチャー企業らしくて面白いと感じた。
組織が潤滑油的に回るイメージが浮かぶ。
良好なコミュニケーションができそう。
コストがかからず簡単にできるので、これから導入する企業・チームは多そう。
リモートワークでの理想的なコミュニケーション環境
一冊読み終えて思うのが、人間関係が良さそうな会社だなー、と感じた。
人間がストレスを感じる大部分が人間関係と言われているが、この本のような会社・チームならば良好な人間関係を築けそうな気がする。
チームワークが少し不得意な私でもなんとかなりそう。
役職・立場・企業・フリーランスなどに関係なく、テレワークに携わる人なら非常に参考になる本。
テレワークでコミュニケーションに困っているなら、まずこの本を読むのをオススメします。