自宅でテレワークの仕事をしいてる人に使っている椅子を聞くと、よく耳にする「エルゴヒューマン」
実は私、10年以上前からエルゴヒューマンの椅子に座っていました。
そのエルゴヒューマンの約10年間の感想というか、長期間使用レビューをしてみました。
エルゴヒューマンの特徴、魅力、デメリット、向いている人などがよく分かる記事です。

テレワーク定番の椅子「エルゴヒューマン」とは?
「エルゴヒューマン」の紹介
エルゴヒューマンは正式表記すると「Ergohuman」
エルゴ・・・つまりエルゴデザイン(人間工学)に基づいて設計された、人が使いやすい椅子です。
エルゴヒューマンは2年半の構想を経て、2005年9月に上海のOA家具ショーで発表されました。
それ以降、世界中で販売され現在では50カ国以上で、その高い機能性と操作性で評価される人気チェアになりました。
日本の家具メーカー「関家具」がエルゴヒューマン公式サイトを公開しているので、エルゴヒューマンを製品開発したのは関家具だと思われます。
オールメッシュ&独立式ランバーサポートが、開発当初からのコンセプトでデザインされました。
人気チェアなので、デザイナーは誰なのか気になるところですが公式情報はなく不明です。
エルゴヒューマン シリーズの紹介
エルゴヒューマン シリーズには複数のラインナップが存在します。
2023年3月時点では、以下のモデルとなっています。
エルゴヒューマン シリーズ
- エルゴヒューマン プロ(フラッグシップモデル)
- エルゴヒューマン プロ オットマン(フラッグシップモデル + 足置き機構)
- エルゴヒューマン ベーシック(スタンダードモデル)
- エルゴヒューマン エンジョイ(ベーシックのランバーサポート簡易モデル)
- エルゴヒューマン フィット(ベーシックの少し小型モデル:日本人向け)
- エルゴヒューマン スマート(フィットのヘッドレスト無しモデル)
- エルゴヒューマン スケート(法人向けモデル)
エルゴヒューマン 座面の素材
メッシュ | モールドクッション | クッション | |
エルゴヒューマン プロ | ○ | ○ | × |
エルゴヒューマン プロ オットマン | ○ | ○ | × |
エルゴヒューマンベーシック | ○ | ○ | × |
エルゴヒューマン エンジョイ | ○ | ○ | × |
エルゴヒューマン フィット | ○ | × | ○ |
エルゴヒューマン スマート | ○ | × | ○ |
エルゴヒューマン スケート | ○ | × | × |
エルゴヒューマン メッシュの違い
エルゴヒューマンのメッシュ素材はに「エラストメリックメッシュ」「3D(ファブリック)メッシュ」の2種類があります。
- エラストメリックメッシュ・・・ポリエステルとエラストメリック(MATREX社製)を編み込んだメッシュ
- 3Dファブリックメッシュ・・・ポリエステル素材に、エラストマー樹脂の強度のある縦糸を通したメッシュ
- ZBメッシュ(スケートのみ)・・・アメリカ製の色鮮やかな耐久性にに優れたメッシュ
大手家具ショールームでは「エラストメリックメッシュ」のモデルを置いている所が多く、AmazonのようなECサイトのランキングでも、エルゴヒューマンでは「エラストメリックメッシュ」が売れ線です。
公式サイトでは「モールドクッション」と「クッション」は、使い分けをされているので違う物のようです。
「モールドクッション」は、へたりにくい低反発クッションとされています。
記事タイトルにある、10年使ったエルゴヒューマンはどれ?
私、Safe Havenは、今となっては珍しい「エルゴヒューマン初期型(ヘッドレスト有り)エラストメリックメッシュ 赤色」を約10年間使っていました。
エルゴヒューマン初期型は、現在の「エルゴヒューマン ベーシック」のベースとなったモデルです。
肘掛け部分のクッションが盛り上がっていて、弾力性がかなりあるので判別しやすいです。
現在の「エルゴヒューマン ベーシック」は、少しマイナーチェンジされていて初期型とは若干違う作りになっています。
ですが、エルゴヒューマンの本質的な設計としては一緒です。
2020年9月に「エルゴヒューマン プロ (ヘッドレスト有り)エラストメリックメッシュ 黒色」に買い換えました。
エルゴヒューマン プロは現在も使っています。
なのでエルゴヒューマン旧型・新型を含めて、13年以上は使っていることになります。(この記事を編集している2023年3月時点)
エルゴヒューマンを13年使った感想は、後述の
『テレワークの定番椅子「エルゴヒューマン プロ」が選ばれる理由』
で紹介していきます。
右側:エルゴヒューマン(初期型):ヘッドレスト有 赤色
左側:エルゴヒューマン プロ:ヘッドレスト有 黒色
エルゴヒューマン(初期型)は10年使っても、まだ使える様子だったので友人に譲渡しました。
友人はかなり喜んでくれました。大事に使ってくれているようです。
テレワークの定番椅子「エルゴヒューマン プロ」が選ばれる理由
自分の体に合うように、とことんカスタムできる調整機能
自分の体に合うように椅子の各機構を調整できる機能が、他メーカーの椅子に比べて非常に優秀です。
いろいろな高級・高価格帯のオフィスチェアを試して座ってきましたが、高機能という面ではエルゴヒューマンはトップラクス。
エルゴヒューマン プロがどれぐらい調整機能があるかと言うと、
調整機能
- 座面の高さ・前後スライド
- 肘掛けの高さ・左右角度・天板スライド
- ヘッドレストの高さ・角度
- 背もたれ部分(ランバーサポート含む)の高さ
- リクライニング時の硬さ・ロック
- 座面のチルト(前傾・後傾の角度)
ざっと、これだけ調整機能があります。
わかりやすいよう写真で説明していきます。(調整可能な最小~最大の範囲)
通常の前後・横から見た場合
リクライニングを、最大に倒した時の角度はなんと38度。
椅子に座りながら背伸びができてしまいます。
通常時はロッキング仕様で、背中を背もたれにあずけるとスーッと背もたれが倒れていきます。(硬さ調整は後述)
座面の高さ調整

左側:座面を一番低くした状態、右側:一番高くした状態
座面の高さは無段階の調整可能。滑らかに動きます。
デスクワークで使う椅子には必須機能。
座面の前後スライド調整
座面の前後スライド約10段階。
太もも裏・膝裏の隙間がかなり変わってくる。
座面の大きさは、標準的な男性の体型だとギリギリあぐらをかけます。
肘掛けの高さ調整・左右角度調整・天板スライド
肘掛けの高さ調整は約10段階。
肘掛けの左右角度調整は3段階。
肘掛けの天板スライド写真は無いですが前後は約10cm、左右は約5cmスライドします。
ヘッドレストの高さ調整・角度調整
ヘッドレストの高さ調整は6段階。
ヘッドレストの角度調整は4段階。
仕事の休憩時・プライベート時に首・頭を休めることができる。
背もたれ部分(ランバーサポート含む)の高さ調整
背もたれ部分の高さ調整は4段階。
エルゴヒューマンの最大の魅力「ランバーサポート」の位置を変えることができるのは重要。
リクライニング時の硬さ調整・リクライニングのロック
写真1・2枚目のレバーをクルクル回すことで背もたれのリクライニングする硬さを無段階で調整できます。
フニャフニャからガッチリまでお好みの硬さに。
リクライニングのロッキングは4段階。
座面のチルト(前傾・後傾の角度)
写真3枚のレバーを回すことで、座面後方が上下する仕組み。
(わざわざレバーを出さなくても回せます)
無段階の調整可能。
座面調整・リクライニングのロックに使う操作レバー
座面の高さ、座面の前後スライド、リクライニングのロックは、この操作レバー1本で調整できます。
エルゴヒューマン プロの詳細なサイズ・調整幅
メーカー公式サイトより
エルゴヒューマン プロ(ヘッドレスト有)の重さは28.3kgあります。
エルゴヒューマン プロ(ヘッドレスト無)の重さは27kgあります。
腰・姿勢に優しいランバーサポート「腰痛持ちが選ぶ椅子」
エルゴヒューマン プロに座ると、腰にあたる出っ張っている部分が「独立式ランバーサポート」
エルゴヒューマン最大の特徴。
ランバーサポートが、自然な背骨のカーブ「S字カーブ」に近づけて、腰だけでなく体にかかる負荷を軽減してくれます。
背もたれごとランバーサポートの高さ調整ができるので、自分の腰の位置に当てやすいです。
実は、腰痛持ちの人が選ぶ椅子としても名高いエルゴヒューマン。
エルゴヒューマン プロに深く腰掛けると腰に当たり、姿勢が少し楽になります。
エルゴヒューマンに座り慣れてしまうと、他の椅子に座ると違和感があり、自分としては腰が疲れやすく感じます。
軽い腰痛持ちなので、エルゴヒューマン プロには結構助けてもらっています。
耐久性のあるメッシュ素材で体が蒸れない
椅子に座ると、体が触れる部分の全てがオールメッシュ。
熱がこもらず通気性が素晴らしくいいです。汗っかきな人に向いていると思います。
冬以外の季節は快適です。さすがに冬はメッシュだと寒いので膝掛け毛布を使っています。
メッシュ素材は体圧分散にも優れているので、同じ姿勢が多少続いても体が疲れにくいです。
エラストメリックメッシュはかなり強度があり、張り感が絶妙で、しっかりとした座り心地を味わせてくれます。
汗をかいてもウェットタオルで拭くだけでニオイがほとんどつかないのも良い。
10年使ったエルゴヒューマン初期型だと、最後の方はメッシュの張りが少し弱くなっていました。
数年程度ならメッシュの経年劣化はほとんど感じられないでしょう。
(体重の影響はあるかもしれません、ちなみに私は約65kgです)
カラーが豊富で、自分の部屋に合う椅子を選べる
オフィスチェアの中では珍しく、かなりたくさんのカラーを選べます。
自分の部屋に合ったカラーのエルゴヒューマン プロを選ぶことができます。
今使っているブラックも好きなんですが、10年使った初期型のレッドの方がオシャレ感はあったと思います。
ブラックは事務的な感じがどうしても若干出てしまう。無難なのですが・・・。
映えな写真を撮りたくなる「圧倒的な存在感」
エルゴヒューマン プロはサイズが大きいです。デカいです。
部屋に友達・知り合いを呼ぶと、高確率でエルゴヒューマン プロについて何か言われます。
「高そうな椅子やねー」「すごい椅子使ってるなー」など。
高級チェアならではの圧倒的な存在感を放っているからでしょう。
PCデスク環境をこだわって構築するのが好きなんですが、エルゴヒューマン プロは無くてはならないアイテムとなっています。
長期間の使用に耐えられる素材と設計
エルゴヒューマン プロの素材は、アルミフレーム・樹脂パーツ・メッシュで構成されています。
全体的に堅牢性が際立っている感じです。
椅子としてコアな部分は頑丈なアルミフレームで、体が触れる部分が樹脂パーツなのは、金属のゴツゴツ感・金属特有の冷たさを避けるためなのでしょう。
エルゴヒューマン初期型は約10年使いましたが、アルミフレーム・メッシュの破損は無かったです。
樹脂パーツのキャスターが破損したので新しいキャスターに交換しました。
関家具に問い合わせるとエルゴヒューマン初期型特有の問題で、初期型キャスターは壊れやすかったそうです。
エルゴヒューマン プロ、エルゴヒューマン ベーシック以降のモデルは改善されたとのこと。
新型キャスターはポリウレタン製で滑らかに動いてくれます。床に傷もつきにくいです。
オプションパーツのジャケットハンガーが便利
スーツのジャケットや、シャツ等をかけられるジャケットハンガー。
ジャケットハンガーはそんなに高くないし、便利そうなので私も買いました。
椅子への取り付けも簡単で、短いプラスドライバー1本で取り付け可能です。
シャツやパーカーを脱いだのを一時的にかけておくのに重宝しています。
スーツをよく着る人は、ジャケットをかけておくのに便利だと思います。
脱いだジャケット・シャツをしわにならずにかけられるジャケットハンガー
エルゴヒューマンのデメリットは2つ
デメリット1:隙間にホコリがたまるので定期的に掃除必須
エルゴヒューマンプロのデメリットも説明しておきます。
オールメッシュなので、メッシュの縫い目に衣服が擦れて、細かなホコリが椅子の隙間にたまってきます。
特にホコリがたまりやすいのは座面の下部分のフレーム。
ぱっと見は、ホコリがあるのは気付かないですが、よく近くで見るとホコリがあるのが分かります。
綺麗な見た目を保ちたいなら、定期的な掃除は必須です。
入り組んでいる箇所にホコリがたまるので、掃除をするにはウェットペーパーが適していると思います。
掃除機の細いノズルも形状によれば隙間に入るかも知れません。
デメリット2:長年使ってるとアルミフレームが曇ってくる
今使っているエルゴヒューマン プロではまだ感じていないのですが、エルゴヒューマン初期型は経年劣化でアルミフレームの曇り・くすみが結構ありました。
アルミニウム金属に色を塗装していないエルゴヒューマンの弱点でしょう。アルミニウムむき出しは曇りやすいです。
関家具に問い合わせると、研磨剤ピカールで磨くと曇りは綺麗になると聞いて、試したところ綺麗になりました。
が!また1~2年ほど経つとアルミフレームが曇ってきました。
これも見た目を綺麗に保ちたいなら、定期的にピカールでせっせと磨いてあげた方がいいでしょう。
そんなにいうほど曇らないので、磨いている人はほぼ見たことも聞いたこともないですが・・・。
エルゴヒューマン プロは長時間座っても疲れにくい椅子。調整機能が優秀で合う人が多い
エルゴヒューマン初期型、エルゴヒューマン プロと合わせて13年使ってきましたが「長時間座っても疲れにくい椅子」だと、つくづく感じます。
エルゴヒューマン プロの魅力
- 各部の調整機能が優秀で、自分の体に合わせられるよう徹底的にカスタムできる高い機能性
- 腰痛持ちに適している、腰と姿勢を支えてくれる「独立式ランバーサポート」
- 耐久性のあるメッシュで体が蒸れない
- カラーが豊富で、自分の部屋に合う椅子を選べる
- 映えな写真を撮りたくなる「圧倒的な存在感」
- 長期間の使用に耐えられる素材と設計
- オプションパーツがオシャレ
色:ブラック、ホワイト、グレー、オレンジ、グリーン、ブルー、レッド
高級チェアですが、長い目で見ればコストパフォーマンスは非常に高いです。
10万円で買ったとしても10年使えば年間1万円です。1日27.4円。(※2023年3月時点だと、物価高騰で価格が高くなっていました)
テレワークで自宅でよく使うならば、仕事への投資、健康への投資と思えば大変お買い得だと思います。
よくライバルにあげられるアーロンチェア リマスタードは約20万円します。
エルゴヒューマン プロにオットマン(足置き)が付いたモデルもあります。
テレワークで疲れた体を、最大限リラックスさせたいならオットマン付きがいいかもしれません。
色:ブラック、ホワイト、グレー、オレンジ、グリーン、ブルー、レッド
「エルゴヒューマン プロ」と「エルゴヒューマン ベーシック」の違い
公式サイトの情報によると、
プロとベーシックの違い
- 座⾯チルト機能(前傾・後傾)
- 肩に触れないヘッドレスト形状、ヘッドレストの高さ調整
- V字型のアルミフレーム
の3点が、エルゴヒューマン プロには追加されているそうです。
座面チルト機能(前傾・後傾)は、あると更に自分の体に合った調整ができます。
エルゴヒューマン ベーシックは、やや後傾気味の設計です。
前傾気味で座ることが多い人はエルゴヒューマン プロがおすすめです。
エルゴヒューマン プロのヘッドレストは、肩に触れないような形状になっています。
ヘッドレストの調整域は、エルゴヒューマン ベーシックよりも4cm長く調整できるようになっています。
身長の高い人・座高の高い人にはエルゴヒューマン プロがおすすめです。
V字型のアルミフレームは、椅子を背面から見るとエルゴヒューマン プロとエルゴヒューマン ベーシックかを、一目見ただけで違いが分かります。
エルゴヒューマン プロはヘッドレスト付近までアルミフレームが伸びているのも特徴です。
椅子としての見た目を求めるならエルゴヒューマン プロがおすすめです。
色:ブラック、ホワイト、グレー、オレンジ、グリーン、ブルー、レッド